だしを上手につかって減塩を


塩分過剰摂取と健康リスク

高血圧症は喫煙と並んで日本人にとっての最大の生活習慣病リスク要因といわれています。高血圧症は動脈硬化を促進し、動脈硬化は脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞・心不全などのリスクを高めます。

高血圧症の原因は様々ありますが、予防に欠かせないのは、塩分摂取量の制限です。塩分を過剰に摂取すると体に水が溜まり、血液の量が増えるからです。

日本人は減塩が求められています

日本人の食塩の平均摂取量は男性10.5g、女性8.9g(平成26年国民健康・栄養調査)と高い水準です。厚生労働省は一般成人の食塩摂取量について,男性は1日8g未満,女性は7g未満と現実的な目標を定めていますが、他国では既に6g未満を推奨しているところもあり、また,世界保健機関(WHO)は,すべての成人の減塩目標を5gにしました。日本はまだまだ減塩後進国といえるでしょう。

お味噌汁はすばらしい国民食

そんな中、お味噌汁は塩分が高いことが永らく問題視されてきました。ところが最近の調査から、味噌汁を飲む頻度と血圧の間に相関のないことがわかってきました。また、普通に塩を与えたラットと、同じ量の塩を味噌で与えたラットの比較実験では、味噌を与えたラットの方が血圧が上がりませんでした。これらのことから、味噌には血圧を上げる食塩が含まれる一方で、血圧を下げる成分も含まれているであろうと考えられています。

そして、味噌には、美肌効果、がん予防、腸内細菌の改善、アレルギー対策にも効果のあることが示唆されてきています。それらの事実がわかってきたことで、味噌および味噌汁は再注目をあびています。

さらには、味噌汁にはいろいろな野菜を入れられる懐の広さがあります。野菜に含まれるカリウムには高血圧の原因となるナトリウムを排出する力があることが知られています。

お味噌汁は古くから日本人の食卓に寄り添ってきました。季節の野菜をたっぷり入れたおいしい味噌汁を日々積極的にとりたいものです。

おだしを使って上手に減塩

では、お味噌汁以外のお料理ではどうでしょうか。一般的に、減塩をすると味に厚みがなくなったり、味がぼやけて物足りなく感じるようになりますが、味付けに工夫すれば塩分が少なくても満足感のある味に仕上げられることが知られています。酸味や香辛料などは先味をきりっとさせることで風味にメリハリをつけて改善してくれますが、中でもうま味のあるだしは塩分を減らした料理に満足感を与えてくれるので減塩調理にはとても効果的です。

塩分無添加のおだしを

以上のように、おいしいお味噌汁づくりや、減塩調理に欠かせないおだしですが、市販のだしには多量の塩分の含まれているものが多いことはご存知でしょうか。いわゆる「だしの素」には食塩が4割程度入っているものが少なくありません。顆粒だし、粉末だしだけでなく、だしパックでも食塩の入っているものがよくみられます。食塩は食べ物をおいしくする力があり、そして安価であるため、食品メーカーにとって大変魅力的な材料なのです。

このような「だしの素」を使ってお味噌汁をつくるとどうなるでしょう。一般的なお味噌汁は一杯あたりだいたい1.2gの食塩を含みます。その時に食塩4割の「だしの素」を一杯あたり1g使うと「だしの素」由来の食塩は0.4gとなります。そうしますと、お味噌由来の食塩の上限は1.2g-0.4g=0.8gまでさがってしまいます。積極的にとりたい味噌なのに、「だしの素」の食塩のために充分とれなくなってしまうのです。

減塩調理をする場合はどうでしょう。おだしに塩が入っていたら、だしを効かせて減塩をしようにも、その一方で食塩を添加することになってしまいます。だしを加えるだけで塩分が増えすぎてしまったり、そこまでいかなくても味付けに必要な醤油や味噌などが入れれられなくなってしまうこともあります。

もちろん、塩分無添加の調味料はそのまま舐めたり、お湯で溶かしただけでは、決しておいしく感じません。これだけ加えても、料理の味は完成しません。でも、上手に醤油や味噌などと一緒に使いこなせば、減塩しながら、だしの効いたおいしい料理を自在につくることができるのです。

ぜひ、正しい知識を身につけ、おいしい減塩生活をお送りください。

参考情報

e-ヘルスネット(厚生労働省)

味噌汁は食べる美容液


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